かくひこの かくかくしかじか

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今年の中受、振り返り+合否と、善悪 前編

2020中受が、おわりました。

これを僕が書いてしまうと、言い訳じみててみっともないのかな、とも思うけど、自分や身内の受験のあれこれを見てきて、今年は講師としては初めて(ともいえる)パターンだったので、吐露しておきたいのです。目指す講師像というか、こう言う形でやってます、というマイルストーンを置いておいて、いずれ迷いが生じたときの立ち位置の確認のためにも。




これがまなぶてらすに来て、最初の「半年以上一緒に頑張った生徒さんの中学受験」だったのですが、戦術的にはぼちぼち、戦略的には非常に良かったのかな、と思います(生徒さんの勉強の面では)


○2020第一志望校合格率について
 うーん、力不足でしたごめんなさい(←業界の常套句。とりあえず一言目には枕詞に言うけれど、僕はどちらかと言うと一緒に半泣きになって悔しがる派。過程を見てる分、ちゃんと悔しい。堪えて堪えて、出るはずに分泌されてる水分を出さないから、翌日むくむ。)を口にすることは多かったです。

 大手や、一般的な評価基準では、講師にとっては第一志望合格率、難関合格率はやっぱりわかりやすいブランディングなので、そう言う意味ではでは今年の勝率?は僕にとって戦術的・ブランディングの戦略的には勝てていない。
また、「第一志望合格」という、生徒さんにとっての戦術目標、短・中期戦略目標の達成率は、、、うーん、低かったかな。。。

○2020受験・その後
 今季は、ご家庭に恵まれたな、と思っています。
 得てして、僕含め人間はひとつ向上すると次への欲を抱きます。それは、成長に必要なことです。が、ご本人の欲、ご家庭の欲、講師の欲、どれも過剰になると、あまり幸せにならないんですよね。。。それが、なかったな、とおもいます。
 できない→できる
 なんとなく解けてる→わかって解けてる
 楽しくない→楽しい
の結果としての偏差値アップ(これは全員上がった)だったので、合否問わず入試終了後の継続受講が多い年でした(合格率100%の年より高い。。。!)

 合格者は、合格報告とともに「で、これは次の学校の何年生でやるって言ってたあれですけど。。。教えといてもらえますか?」
 不合格でも、「次は勝ちたいんで、もう始めてもらっていいですか?」「〇〇ができるように、扱いてください」と。。。『学び』をきちんと見ていてくれて、そこがブレないの素敵。

学びの楽しさに気づいてもらえて、嫌いだった科目が、苦手だった科目が、フワフワしていた科目が楽しく、しっかりしたものになってきたことは、生徒さんの「生涯続く勉強」にとって、今回の最重要戦略目標が押さえられた、と言うことかな、と。

一番まずい、戦術的勝利、戦略的敗北、に陥ってる子が今のところいないのが何より。


 今年のここまでの受験結果とその後は、ご本人にとって「生涯続く学び」という面で、合否問わず戦略的な大勝利だったのかな、と言う大本営発表?でした。
※したがって、現状当面新規募集はできかねます。ごめんなさい。
※来年の受験生の数を考えると、再来年あたりにスケジュールが破綻するんじゃないかと冷や冷やしています。
※従って、じわじわ科目を絞らせていただいております。ここで僕はジェネラリストでいるより、スペシャリストでいる方が多分みんな幸せになれます。主に僕が笑



○合否と、善悪

これは、重ため。

ちょっと昔、あるところにお兄さんと妹さんがいました。お兄さんは基本的にあまり器用な部類ではないものの、大変な負けず嫌いでした。妹さんは、お兄さんよりは器用だけど凄いわけではなく、変わらず負けず嫌いでした。

ある日、お兄さんは小学受験をしました。その学校では、一定基準に到達した子は最終的に本人が引く抽選で合否が決まる学校でした。お兄さんは合格、を引き当てました。
数年後、妹さんは同じ学校を受験し、抽選まで進めましたが、不合格、を引き当て地元の小学校へ通うことになりました。

数年後、お兄さんは5年生になりました。その学校では、5年生から順位に応じたランクが通知される実力テストがありました。
最初のテストで、お兄さんは真ん中あたりのCランクでした。

お父さんは、激怒しました。なぜなら、お父さんもその小学校の出身で、自分はもっといいランクだったからです。

お兄さんは、塾には行っていなかったので、その日からお父さんが勉強を見ることになりました。

そこは、親子です。その時はまだ封建的な家庭だったので、感情的になるお父さん、怖くて何も聞けないお兄さん、誰も幸せになりません。

ある日、見かねたお母さんが家庭教師の先生を呼ぶことを提案しました。
その時は、よくある安そうで、とても高い教材を買わなくてはならない会社でしたが、初めてのことで何もわからずそのまま契約しました。

ところが、来てくれた先生は、学校や教材ではまだ習わないけれど、今から知っておくと便利なことを教えてくれました。お兄さんは、その便利なことを使って、中学受験も、なんと高校受験も合格できました。

お兄さんが中学受験に合格してから数年後、妹さんも同じ中学校を受験しました。

そこは、そう、お父さんも、おじさんも、そしてお兄さんも通った中学校です。

ところが、妹さんは合格できませんでした。

妹さんは塾に通っていましたが、ある日から、上位クラスの子は特別なカリキュラムを取らなければならいことになったのですが、あまり合わなかったのです。
そのカリキュラムは、塾の先生もつかいこなすのが大変なカリキュラムです。でも、そこは大人の事情でやらねばならなかったのです。

合格発表の日、結果を聞いてお父さんは失望の言葉を口にしてしまいました。
お兄さんも、その日は慰めましたが、すぐにいたぶり始めました。まるで、シンデレラのおねえさんです。

なぜなら、その頃その親子には合格は絶対的な善、不合格は善ならざるもの、であったからです。


その後、妹さんは、勉強することをやめてしまいました。

<続>
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